初めてのパソコン(1985〜1989) |
8bit機 |
X1turbo Model30 |
大学卒業後、各メーカーからホビーとして8bit機(PC-8801mkII, FM-77, MZ-2200, X1 etc)が続々と登場をしていた。この中で、一番気に入ったのが、テレビも見ることが可能なテレビパソコンとして一躍有名になったX1であった。しかし、売り場で見てがっかりした。大学の研究室などで、PC-9801の画像出力のきれいさをみていただけに、漢字が表示できない・画面解像度も最大640x200 では買う気はしなかった。なによりも、画面が鮮明でなかったことである。縦の解像度が200dotであるからそれは仕方ないことである。
しかし、1984年に発売された、SHARP の X1turbo model30は、違った。漢字が表示できる・解像度は640x400・FDDも二基標準搭載である。これは買うしかないということで、1985年には購入した。
model10は、カセットドライブが内蔵しているもの。model20は、5.25インチフロッピーディスクドライブが、一基内蔵しているもの。model30が、5.25インチFDDが二基内蔵しているものだった。まだ、ハードディスクは一般的な時代ではなく、フロッピーディスクが内蔵しているだけでもすごくいいマシンだったのである。ここは奮発してmodel30にしたわけである。
基本的には、Hu-Basic という、ハドソンが開発したBASICが搭載されていました。SHARPの別系統であるMZ-2000とかとは違うグループが開発したようですが、やはりクリーンコンピュータを踏襲していて、起動時にBASICを読み込むスタイルをとっていました。
表示スペックは、640X400 で、漢字第一水準ROMも搭載していて、BASICそのもので、漢字入力が可能でした。FD辞書を使うことにより、熟語変換も可能になっていました。BASICも拡張されていて、変数名やサブルーチン名に漢字が使えたりしました。
漢字の表示は16x16です。
ゲームは、自分にゲームのセンスがないため作成することはできませんでしたが、実用的なものはいろいろと作成しました。
- 家計簿というかお小遣い帳
- 理科のシミュレーション(二酸化炭素がびんの中で増えるとビンの中のロウソクの火が消えるとか)
- 成績処理ソフト(BASIC only)
- 大学のサークルの名簿管理
などなど。
標準機能
- キーボードが、TVリモコンになっていたので、延長コード(普通のステレオミニジャック)を購入して、離れてでも使えるようにした。
- バックにTVorビデオ画像を映しながら、前面にコンピュータ画面を重ねることができた(背景の黒が透過に指定されている)ので、ビデオ入力から入力した画面を表示しながら、タイトルや文字などをスーパーインポーズすることができた。そして、この合成画面をビデオ出力し、ビデオデッキに録画することができた。
実際に上記の「理科のシミュレーション」は、当時X1tuboで作成したソフトを学校に持っていって実行することは不可能でしたので、ビデオに録画して、それを授業で見せることをしていた。
- そうするとビデオに文字を写し込むことが可能になります。画像そのものは編集できませんが、タイトルやスクロール・フラッシュ・フェードアウトする文字などなら、文字表示の簡単なBASICプログラムを作っておけば、できたわけです。
自分の子どもを撮影した家庭ビデオでは文字をスーパーインポーズしたものに編集し、作成した。
購入ソフト
- ワードプロセッサ(JET-X1 キャリーラボ→超多機能日本語ワープロ Shogun サムシンググッド)
結構、機能は豊富でしたが、特にShogunは、8ビットマシンには負荷が大きすぎて、印刷するのに多大な時間が必要でした。
- グラフィックソフト(turbo Z's STAFF SHARP[たぶん、ツァイト社のOEM])
- 音楽シーケンスソフト(FM音源付属ソフト)
FM音源を最大限に利用して楽しみました。
- ゲームソフト 多数
オプション
- 漢字第二水準ROM(SHARP, CZ-8BK3)
- FM音源ボード(SHARP, CZ-8BS1)
- カラーイメージボード(SHARP, CZ-8BV1)(動画取り込みは不可)TVinTV, TV窓
- X1-TurboZ同等にバージョンアップするための、4096色ボード
- 熱転写24ドットプリンタ(SHARP, MZ-1P17)
最初は、手持ちのプラザーの8ドット熱転写プリンタを使っていましたが、デフォルトで漢字印刷ができない。設定して漢字印刷を可能にすると、英数字の二倍の高さを必要とするなど非常に使い勝手が悪いものでした。すぐに、シャープの24ドットプリンタを購入してしばらくはそれで印刷をしていました。当時のプリンタには漢字ROMが内蔵されていましたが、第一水準が普通で、第二水準の漢字を印刷するためには、ROMの購入が別途必要でした。
使用しているうちに気になってくるのは漢字の品質の悪さです。24ドットでは正常な漢字が印刷されなく、省略された字体になります。
- 熱転写48ドットプリンタ(EPSON, AP-850)
熱転写プリンタが使用するテープリボンは一回しか使用できなくかなりコストパフォーマンスの悪いものでした。しかし、この機種は太めのテープリボンを利用し往復利用可能にしていました。また、マルチ使用可能なテープも用意されており、印刷確認のために複数回利用できました。
普段の原稿は、感熱紙に印刷をし、どうしてもカラーが必要な時にのみテープを使用する感じでした。また、輪転機を使用せず、印刷物を直接他人に渡す場合もテープを使用していました。
カラー印刷の時は、テープにCMYの三色が一本のテープに順番に塗布されていて、一行ずつ印刷するから消費量が半端じゃなく写真なんか印刷しようものなら、あっというまにテープが無くなってしまいました。また、カートリッジごとテープリボンを交換するのはコストパフォーマンスが悪いので、何とカートリッジはそのままで中身のテープのみを交換する方式をとっていました。
引退間際には、HDD20GBも登場しましたが、さすがに高価で購入はしませんでした。